バイリンガル育児をしているパパママであれば、子供が将来、グローバルに活躍することを可能性の一つと描いていると思います。
すでに、グローバルに活躍しているパパママであれば、そのためには何が必要なのか?おわかりかと思いますが、本ブログでもわたしなりの意見をシェアさせていただきます。
前回のブログ「グローバル人材に育てるために親が子供にできることは?たくさんの価値教えてあげること」では、多様性と包括性について書かせていただきました。
本ブログでは、コミュニケーション力にフォーカスしてお話していきます。
近い将来に求められるビジネスマンの能力とは?前回のおさらい
前回の記事にも書かせていただきましたが、経済同友会が公開している資料には、今後のビジネスマンにはこんな能力が必要であると記載されています。
1. 課題設定力・解決力
変化の激しい社会で、課題を見出し、チームで協力して解決する力
2. 耐力・胆力
困難から逃げずにそれに向き合い、 乗り越える力
3. 多様性・包括性
多様性を尊重し、異文化を受け入れながら組織力を高める力
4. コミュニケーション能力
価値観の異なる相手とも双方向で真摯に学び合う対話力
引用元:経済同友会「これからの企業・社会が求める人材像と人材育成に向けた課題」https://www.jasso.go.jp/gakusei/career/event/senmonjinzai/__icsFiles/afieldfile/2017/01/12/09_internshipws_toukyou_douyuukai.pdf
この能力は、今後日本企業が、海外で事業を展開することが求められたり、海外の企業と一緒にお仕事をしていく機会が増えていくことを前提としていると捉えていいと思います。つまり、このビジネスマン像=グローバル人材と捉えて良いと思います。
そして、どの項目も海外で活躍するためには非常に重要な能力だと至極納得しています。
特に、インドのような発展途上国にいると、この4つの能力を全て持ち合わせていないと仕事を前向きに、そして楽しむことは難しいなあと感じます。
さて、今回は、この4つの能力のうち、言語能力に特にかかわる「4.コミュニケーション能力」にフォーカスし、私達大人が、子供にどう関わっていけるのかをお伝えします。
コミュニケーション能力ってそもそもどんな能力なの?
上記の資料にあるようにビジネスにおけるコミュニケーション能力「価値観の異なる相手とも双方向で真摯に学び合う対話力」とあります。
コミュニケーション能力って「伝えることが上手い」、「他人との会話のキャッチボールが的確にできる」といった能力を思い浮かべますが、まずその基礎となるものが「双方向で真摯に学び合う対話力」なんですね。
一見伝えることが上手いように見える人も、会話が一方的であったり、聞いているようで聞いていなかったりすると、コミュニケーションの目的である相手の共感を得ることや、生産的な会話をすることができないケースもあります。
ですから、コミュニケーションにおける対話力には「話す力」と「聞く力」の両方の能力が必要になります。自分の意見を発信し、相手の意見に興味を持って耳を傾ける力ですね。
そしてもう一点、大切なことが「価値観の異なる相手とも」という部分です。
それって誰でしょう。日本の場合は、これは主に外国人を指していると捉えてよいのではないでしょうか。今後日本がもっと多様性ある国に変化した場合は、ここに日本人も入ってきます。
何を言いたいかというと、日本は、日本人とコミュニケーションを取る機会が多く、かつ、比較的同じ価値観を持ち、共有している傾向にあるということです。
例えば、日本人同士で会話をしたり、コミュニケーションを取ることは意外と簡単です。使用言語は日本語だけですし、それぞれのバックグラウンドとなる文化や教育もさほど大きく異ならないため、同じ前提を持って対話ができるんですよね。ですから、多くを語らずとも双方の考えが最低限のコミュニケーションでおおよそ把握できたりします。
しかし、今後日本のグローバル化が益々進んだり、日本企業にも外国人の同僚が増えていくと、この前提が崩れていきます。言語だけでなく、文化や宗教、教育に関しても違うことだらけの人たちとコミュニケーションをとっていかなければなんですよね。
もう少し具体的に、「価値の異なる相手」とのコミュニケーションにおいてどんな問題が起きていくかイメージしていただきたいです。
例えば、日本人は朝・昼・晩と食事を取ることが当たり前ですよね。なんの疑問も持たずに、12時頃になればランチに行こうと友人や同僚に声をかけます。しかし、インドでは食事を5食とる人がいたり、ランチは14時くらいだったり(つまり5食の内の1回がここにあたるのでしょう)、はたまた週に一度はファスティング(断食)をする人もいるので、日本人の感覚で安易にお昼行こう!と誘っても思いもよらない答えが帰ってきたりします。
我々日本人にしてみれば、お昼は会社で決められたランチタイムで済ませることが大切。かたやインド人にしてみれば、これまでの食習慣を大きく変えることで体調を崩すことで、仕事の生産性を落としたくないという思いがあるかもしれませんね。
自分の価値観を押し付けず、相手が大切にしている価値を真摯な心で汲み取り、お互いのベストな方法を見つけ出すためにコミュニケーションを取る必要があり、ここで「価値観の異なる相手とも双方向で真摯に学び合う対話力」というコミュニケーション力が必要になっていくのでしょう。
コミュニケーション能力を高めていくために親が子供にしてあげられること
コミュニケーション力には、「多様的な価値観を知り、受け入れる力」と「話す力」、そして「聞く力」の3つが基礎になっていることがわかりました。では、この3つの基礎力を育ててあげるためにわたしたちが子供にしてあげられることはなんでしょうか?
たくさんの価値の種を蒔いて「多様的な価値」の土壌を育てる
価値とは、人間が普遍的にポジティブに捉えられる類のものである「愛」「美」「倫理」とか「仁」とか。自分が対象物に対してこういった気持ちを持って大切だな、と思うことを指しています。
例えば、私たち日本人であれば、自然に伝えている価値は「仁」ではないでしょうか?思いやりや慈しみ、礼儀や信頼などがここに入っています。
一方で、日本人にとって伝えることが疎かになりがちな価値は、「愛」や「美」ではないでしょうか。日本人にとっての「愛」や「美」だけでなく、世界にはたくさんの種類の「愛」や「美」が溢れています。
実際にインド住むようになったわたしは、インド人に比べて、愛や美のバラエティが低いことを実感しています。インドの特に「美」の多様性に驚きました。インドは、州や地域によって宗教や言語、文化が異なるため、インドの中でも異国のように色や形への美の感性や価値観が異なります。
▼前回の記事で、多様性について更に具体的に書いています▼
「話す力」の基礎は自己肯定感
自分の意見を他人に自信を持って話せるようになるためには、自己肯定感が必要です。どんなに素晴らしい考えや想いを持っていても自分に自信がないと言葉で表現することができません。
自己肯定感が低いと、自分の意見に対するリアクションへの不安や恐怖が勝ってしまうんですね。
なぜそういった不安や恐怖が生まれてしまうのでしょうか?
例えば、過去に、自分の意見を否定的に捉えられた、自分が人と異なる意見を持っていることで訂正された、自分の意見を肯定されなかったことが、心の中に小さな小さな影を落としていき、この影が積み重なっていった結果、自分の意見は話さないことがいい、とか、みんなの意見に同意だけしているほうがいいという、自分を守るための処世術を身に着けていってしまうんですね。
わたしにもそういう経験があるので本当によくわかります。
子供の意見を絶対に絶対に否定しないでください。例えそれが一般常識や倫理から外れるような発言であったとしても、まず受け入れてみてください。そして、なぜそういう意見を持ったのか、興味を持って聞いて上げてください。
理由をきちんと理解した上で、人間が持つべき正しい倫理感や社会で必要となる常識について教えて上げてはどうでしょうか。
「話す力」を育てることがまず第一優先。自己肯定感が低いあまりに、なにも意見を発信しない子供になってしまったら、子供の持つ課題さえ理解して上げることができません。つまりは親が関わってあげることさえもできなくなりますもんね。
聞く力の基礎は「好奇心」
子供はそもそも好奇心の塊。どんなお子さんでも大なり小なり、そもそも好奇心という素晴らしい能力を持っています。これを育てていくのか、抑制していくかは親や周りにいる環境が左右していきます。
好奇心が旺盛すぎて、本当に困ってしまっているパパママもいるでしょう。まさにそれは我が家です。次女である2歳児はどんなものでも壊せるプロの解体工事師。3歳児の娘は天才的なペインター(白壁専門)です。
2歳頃は特に、目につくもの全てに興味が湧き、触ってみたいし、壊してみたい。怪我の原因となりそうな危ないものや、病気の元となり得る汚れたものに対しては特に、親は敏感に反応し、「やめなさい!」「それはだめ!」とスピーカーのように追いかけ回しているのではないでしょうか。
きれいなドレスや美しいインテリアもできれば壊されたくないですよね。修復費を考えると家の壁とかもできればやめて欲しい….後片付けのことを考えるとMessy Playもやめて欲しい。本当にわかります。一日中掃除をして終わるこちらの気持ちもありますよね。
しかし、そもそも持っている好奇心を失わせることの損失を考えてみませんか?
例えば、その一つがこの聞く力。好奇心を失った子供は人の話に興味を持てなくなります。学校の先生や魅力的な書籍に対しても同じです。
「なにかおもしろいものがそこにあるかも?」という好奇心を持って聞くことができるよう、好奇心はそのまま残してあげたい子供の生まれ持った素晴らしい能力の一つと捉えてみてください。
自己肯定感を育てる英語絵本をたくさん読み聞かせてあげて
特にアメリカの絵本には、自己肯定感を高める要素が含まれている英語絵本が多くあります。それほど、アメリカ人が自己肯定感の大切さを認識している一つのエビデンスでもあると感じます。
こういった英語絵本を日常的に読み聞かせてあげると、意識して子供の自己肯定感を高めていってあげることができます。
実は、ここには素晴らしいもう一つの効果があります。
読み聞かせをしているパパママの気持ちまでもポジティブに働いていくという作用です。絵本の読み聞かせって親子で一緒のマインドセットができるようになる素晴らしい時間なんですよね。
今日は、自己肯定感UPに一役勝てくれている、わたしも娘達も大好きな仕掛け絵本「Beautiflu Oops!」をご紹介します。
▼Amazonでも購入できます▼
https://www.amazon.co.jp/Beautiful-Oops-Barney-Salzberg/dp/076115728X
この絵本の中で、著者はたくさんの失敗をします。ですが、その失敗全てがクリエイティブなアイディアに変化していくんです。
世の中に失敗なんかない!失敗は新たなチャンス!新しいアイディアのヒント!そんなメッセージが詰まっています。
肯定的に事象を捉えられるようになれば、世界は可能性に溢れている!そんなポジティブなマインドにしてくれる素敵な英語絵本です。
絵本のしかけもかなり凝っていて、小さなお子さん、例えば0〜2歳児はおもちゃとしても楽しめます。英語初心者の子であれば6歳くらいのお兄ちゃん、お姉ちゃんにも楽しんで貰えると思います。
子供の自己肯定感をもっともっと高めて上げたい。そんな英語絵本に出会いたいという方は、お気軽にMy Little Oneにお問いわせください。
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