最近、大手多国籍企業のホームページで、Inclusion&Diversityというキーワードを見ることが増えました。
当初はなんだこの言葉は?と疑問だらけでしたが、Apple社の英語版ホームページにある
Inclusion(許容)&Diversity(多様性)のページが、わたしの理解を深めるきっかけとなりました。
これは是非、バイリンガル育児をされているママにシェアしなければ!と。
子供たちが将来働く未来をイメージ
シェアさせていただきたい理由は、海外もしくはグローバルな環境で働くかもしれない子どもたちが、将来どんな環境で働くのか、今後ますます増えるITや最先端テクノロジーの業界では、どんな人材像が求められているのかを少しイメージしていただけるのではと思ったからです。
わたし達の世代、特に日本にいると、なかなかグローバルで多様性あふれる環境に身を置く機会がないのですが、このサイトの情報はイメージのヒントになるかもしれません。
https://www.apple.com/diversity/
ページトップにあるこの動画が、視覚的にもすごくわかりやすくおすすめです。
いろいろな人種、宗教、年齢、性別、LGBT、ハンディキャップ、能力をもった人たちのいる職場環境作りをAppleは目指しています。
これは、ただの雇用対策やCSR活動ではなくて、Apple社のスローガンでもある「Think different」にあります。
多様性のあるバックグラウンドや能力を持つ人々に囲まれ、新しい発見や違いを知ること、違いから生まれるアイディア!イノベーションを信じているからです。
世界でもこの多様性を積極的に推進するAppleのような企業は、子供達が大きくなる頃にはもっと増えていると思います。
実際に、日本でもこういった活動を実施している企業が増えてきています。
私が窮屈だな〜と感じていた、画一的な日本特有の文化が開放されていくという嬉しい一方で、これまでの教育スタイルやプログラムでは醸成されにくかった個性が重んじられる世の中がやってくるのですね!
そして、時を同じくして、ある英語絵本「THE GIRL WHO THOUGHT IN PICTURES(絵で考えた女の子)」に出会いました。
【英語絵本】自閉症の少女のサクセスストーリー
The Girl Who Thought in Pictures: the story of Dr. Temple Grandin Sneak Peek
自閉症を持ちながら社会的成功をおさめたテンプル・グランディン博士のリアルストーリーです。
彼女は現在、世界中で公演を行っていて、「The world needs all kind of minds(世界はあらゆる頭脳を必要としている)」というこのTEDでのスピーチがもっとも有名だと思います。
絵本には、彼女の半生が描かれています。
自閉症については知識が充分ではないので多くは語れませんが、彼女に関しては、一部不自由な部分を抱えながらも、視覚的思考が人より長けているという特徴がありました。
例えば、なにかを考えるときに言語理解ではなくGoogleの画像検索のように、細部まで正確に捉えられた画像が脳の中をフラッシュカードのように流れるそうです。なにができてしまうかというと、画像を組み合わせて脳内でシュミレーションが組めてしまったりとか。コンピューターのシュミレーションソフトはいりません!
彼女が、このスピーチで伝えていること。
世界にはいろいろなタイプの能力を持つ人間が必要とされていて、たとえ、一つのコトが苦手であっても、それ以外の得意な分野や能力を伸ばすことのできる両親やメンターがいてくれれば、子供の可能性は無限大に広がるんだよ!
もう胸に刺さりまくりました。子供だけでなくわたしの自己肯定感も上げてくれました。なによりも、彼女が、これを実現してしまった張本人ですから説得力は充分です。
子供の長所を伸ばすことでなにが起きるのか?
子供の長所を伸ばしてあげたいとはどの親も願っていることです。
でも、これって簡単なことではなくて、わたしの昭和生まれほぼ日本育ちの凝り固まった脳の中では、平均以上に全てのことが理解できて、そしてその中で一番得意な分野を探してあげようという考えでした。
もちろん、それは理想なのですが、それって実は実現不可能なんです。
これがわたしが小学生の頃にこなしていた1週間の予定です。
月曜日 算数の家庭教師
火曜日 ピアノ
水曜日 体操教室
木曜日 フルート
金曜日 英語の家庭教師
どこに自分の好きなことを見つける時間と極める時間が!?
この中に自分の好きなことが入っていれば、ラッキーだったのですが、残念ながらそうではありませんでした。
わたしは、自分の受けた教育スタイルが正しいと解釈していて、結果、子どもたちにもそれを押し付けようとしていたのだと!
そんな時に、テンプル博士のこのサクセスストーリーを読んで、心から、長所を本当に伸ばすという意味、それに必要な家族の心構えと、子供が踏んでいくプロセスを理解することができました。
絵本の最後のページにテンプル博士のメッセージがあります。わたしの大好きな言葉の1つです。
Dear Reader,
As a child, I was really grad that my mother always encouraged my ability in art. I encourage you to find something you are good at and work on developing it.
If you are interested in becoming a scientist like me, find cool new ways to look at things such as microscopes and telescopes. Explore nature. Think up your own hands – on science experiments.
Keep learning especially from your mistakes.
引用元:THE GIRL WHO THOUGHT IN PICTURES
つまり、彼女のお母さんの理解と応援があったからこそ、彼女の人生は開花したとあります。
自閉症の子供は、自分の好まない行動に対して、しばしば暴力的になったり、好まない言葉を放ったりしたりします。
そんなときも、テンプル博士のお母さんは、娘の心の内を理解する努力を惜しまなかったのだと思います。
これって健常な子供にも全く同じように当てはまります。だめと言われているのにしてしまう行動や暴力的な行動や言動の裏には、子供なりの必ず正当な理由があります。
パパ、ママはそこに常に耳を傾け、いつも最大の理解者でありたいものです。
英語絵本の楽しみ方
この絵本。ちょっと内容が高度です。
わたしの2歳の娘には、理解はまだまだ難しいです。
ですが、この絵本を読み聞かせながら、動物のシーンを楽しんだり、新しいボキャブラリーを学習することもできます。
とにかくテンプル博士は動物が大好きで、食用に殺傷される牛たちを虐待的でない方法がないかを模索し、そのシステムを作りあげたことが社会的地位を得たきっかけです。
大好きな人やコトを突き詰めることの素晴らしさを娘へのメッセージとして、読み聞かせでは伝えています。
実在する人物のサクセスストーリーを知ることは子供の自立を促すきっかけにもなりますので、こういった実話系絵本は積極的に読み聞かせるようにしています。
バイリンガル教育は心をボーダレスにする
最後になりますが、わたしがAppleのホームページとテンプル博士の絵本を通して、深く感動し、発信したいメッセージ。
言語、文化、人種、宗教、性別、ハンディキャップ、年齢などの全てに立ちはだかる固定概念という壁をとっぱらって、ボーダレスな環境から学べることがたくさんあること。
人には、一人一人に別々の素晴らしい能力が必ずあって、それを社会は必ず必要としているということを子供達に今大声で叫びたい気分です。
バイリンガル育児はまず言語の壁をとっぱらってあげる最初の一歩ですね。
ママパパがメンターとなって母国語以外を学習するプロセスは子供にとってボーダレスへの第一歩、本当に貴重な体験になるでしょうね。
もし、英語という壁が高くて乗り越えなかったとしても、プログラミング言語や絵や体の動きを使ったコミュニケーション方法、ボーダレスなコミュニケーションの選択肢は多様にありますから、自分の子供にはなにがあっているのか?ゆっくりそばで見て、伸ばしてあげたいと思っています。